由紀かほる「憂国記」

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「よう、由紀クン。オレだよ。判るかい?一つ、オレから頼みがあるんだ。今度、映画にしたくなるようなヤツを書いてくれないかな。なあ、頼んだぜ。じゃあな」

 皇紀弐阡八百六拾弐年弐月弐日

 七時二〇分起床。ヨガもどき。

 玄米。蜆味噌汁。藁納豆。長芋。茶殻ふりかけ。

《おんなキャビンクルー【魔婬】》執筆。

 昼前ヨガもどき。

 蟹炒飯、若芽スープ。

 昨年から準備して手付かずの、手作り味噌に着手。一晩漬けた大豆を圧力鍋で二〇分。分量は一キロ。ナカナカに多い。さらに無農薬の麹に天日塩を混ぜ、大豆をフードカッターに。処が、細かくならないので、さらにすり鉢で―途中、何時もの美容師のコが手伝いにやって来てくれた。昼飯が未だだと云うので、チャーシューで炒飯とスープを造って上げる。今度の方が上手くいった。土鍋で炊いた炊きたてより、少し冷えた方がパラパラになっていいようだ。

 材料を混ぜて、自宅から持ってきた壺に叩きつけるようにして押し込んでいく。取り敢えず、完成。後は半年から一〇ヶ月ほど寝かせる。果たして―

 車で無添加のワインを仕入れに出掛ける。

 昨日書き忘れていたあの噺の続き。

 半年ほど前、お世話になっている先生の処で、昭和の大スターから声が掛った。

「よう、由紀クン。オレだよ。判るかい?」

 まさか―だが、間違いなかった。

「一つ、オレから頼みがあるんだ。今度、映画にしたくなるようなヤツを書いてくれないか。今のヘナヘナしたのばっかりじゃなくてさ。なあ、頼んだぜ。じゃあな」

 吹けば跳ぶような超三流の物書きにも、こう云う噺があるらしい。

 扨、昨日。電車を降りて、先生宅へ向かおうとタクシーに乗った。

 と走り出したタクシーの中に、あの人の歌声が響いてきた。

 思わず、同伴した身内と貌を合わせる。

 午後の三時前、仕事場に戻った。パソコンを立ち上げ、ツイッターを覘くと、慎太郎氏の訃報が眼に跳び込んできた。

 あゝ、そうだったのか―

 何がって?

 何でもないさ。

 唯、此の歌声が胸に染みたんだ。

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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