皇紀弐阡八百六拾弐年八月五日
六時参拾分起床。ヨガ。
酵素玄米。茶殻。なめこ生姜味噌汁。大根おろしちりめん。自家製昆布佃煮。
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《美囚クロニクル【聖奴の十戒】》PDFを原稿用紙へと書き映しながら、推敲を続ける。
1300枚に到達。もうすぐだ。明日には終るだろう。
まさかまさかと思っているうちに、予定になかった本作に着手してしまった。
不思議なことに、本作を覚えているようで、再読して思い出すと云うスタイルだった。
この一五〇〇枚の原稿を、途中で投げ出さずに推敲していけたのは、実は作品の持っている力だと思う。
リライトしたい箇所はいくつもあるが、この物語はよく出来ていると、新鮮な驚きで再読した。
かつてヴァイオレンス系の小説は、ハードロマンと云う呼び名がつけられ、数ゝの作家が活躍した。今、そのジャンルがどうなったか知らない。当時、彼是と読んだ。そうした作品には、当たり前のように《濡場》が描かれる。
其れが読みたくて読んだ―或いは、読まれた作家もいるのではないか。作家当人の真意は知らない。編集部が其れを求めたかも、知らない。
個人的には、大概は物足らない印象だった―いやいや、抑、其れが主眼の作品ではないから―と云われそうだが、其れでも濡場は描かれている。
なら、もっとその濡場を深めてはどうか―
いやいや、そんなことをしたら官能小説になってしまう―と危惧したかどうかは知らない。
しかし、官能小説になって何が悪いのだろう。其れもまた一興ではないか―いやいや、そんな官能小説家と一緒にされるのは御免だぜ―と思ったかどうかしらん。
そんなこともあって、本作は生れたのかもしれない。
もし、本作の濡場を大幅にカットして、一般の《ハードロマン》として出したら、果たして―
手前味噌ではあるが、そのジャンルとして普通に成立しただろうと思う。
此れから本作をリライトするに当って、濡場は多くの加筆がなされるだろう。それに比べて、濡場以外のシーン。物語が進行していくシーンでは、濡場で見られるたどたどしさがまるでない。
無駄がなく、簡潔で、原文のままで問題ない。
此れは意外な発見だった。
そして、云っておこう。
かつてハードロマンと呼ばれた作品で、此れほどまでに濡場を、そしてそのヒロインの心境の推移を描き出した作品があっただろうか、と。
年末以降、少し愉しみが増えた。
本日も執筆出来たことに感謝。
惟神霊幸倍坐世
最新作《おんなキャビンクルー【魔婬】Fourth Stage》