皇紀弐阡八百六拾弐年八月壱拾壱日
六時四拾分起床。ヨガ。
酵素玄米。茶殻。豆腐油揚げ生姜味噌汁。
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《美囚クロニクル【聖奴の十戒】》
未だ着手つもりではなかったが、出だしを少しだけチェックしてみる。
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余談だが、此のタイトル《聖奴の十戒》は自ら着けた。
「十戒ですか。凄いタイトルですね」
と当時のW編集長に云われた。単行本で出版する際に《美囚クロニクル》と着けたのは、そのWさんである。
《クロニクル》と云う文言に特別な思い入れがあったのを、直接聴いた記憶があるが、詳細は忘れた。悪くないサブタイトルだと思う。が、アマゾン・キンドル版で配信する際は、変えようと思っている。《美囚》と《聖奴》では被り過ぎだろうと、今にして思った次第。
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ヘミングウェイの短篇を読みかけて、ふと別の作家をと思って、泛んだのがヘンリー・ミラー。
南回帰線や北回帰線他、かつて最初に出た全集なんぞを集めて、彼是読んだ頃もあった。
映画も何本か観た。今日、自炊本の中から探り当てたのは《愛と笑いの夜》(吉行淳之介訳)。過去に何度となく読み直した。吉行自身が解説に書いていたと思うが、体力勝負のような饒舌体の長編より、訳した短篇が好みだ―と(今、思い出したが、最初に文庫本で買い、後にハードカバーを古書店で買った記憶がある。装幀は池田満寿夫)。
其の意見に両手を挙げて賛同したい。長編がダメと云っているのではない。案外に、短篇の方が贅肉を削ぎ落とした印象で、すっきりと頭に入ってくるからだ。そこには作家ミラーの本質のエキスもしっかりと盛り込まれている、と思うが如何か。
出来れば、残りの短篇も吉行訳で読みたかった。今、調べてみると、ミラーの作品の価格が驚くほどの高い。こんな値段設定で、大丈夫か―と余計な心配をする。ま、読みたい人はいくら値が張ろうが読むのだろうし、今、ミラーが、と云うより、文学が売れるはずもないから、出版社としてもギリギリの上限の価格設定をしなければやっていけないのではないか―等と勝手に想像する。
長編が圧倒的に多いミラーだし、こうしたものほど電子書籍で読みたいが、出版社側も紙に拘らなければ、潰れるだけだし―結果として、ガラパゴス化していく運命なのだろう。
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今日は此方としてはかなり蒸して暑い。祝日だと朝になって知った。街は伽藍としている。
其れとは関係なく、カレーの壺で鶏と茄子、ピーマンのカレーを頂く。序に手羽中の唐揚げも。
暑いから、風呂上がりはハートランドだなー。
本日も執筆出来たことに感謝。
惟神霊幸倍坐世
最新作《おんなキャビンクルー【魔婬】Fourth Stage》