由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

中央公論社《新集世界の文学・39 ミラー 南回帰線》此れまでのミラーへの此方の評価を、一新させるほどのインパクトと云ってよい

 皇紀弐阡八百六拾参年七月弐拾五日

 六時半起床。ヨガ。

 まずは訂正、角川文庫版《南回帰線》を読み出したのは、六月の後半からだった―三月と書いたのは、其の前に読んだ集英社版・磯野宏訳の方である―昨日辺りから読み出した中央公論社《新集世界の文学・39 ミラー 南回帰線》、ついつい頁を捲る手が止まらないのは、諒かに訳文の読み易さのせいである―此れで五人の翻訳家による《南回帰線》だが、此処まで読んだ感想としては、此の訳がもっとも良いと感じる―他の訳者では、退屈で冗長すぎる箇所も、此の谷口訳ではそうは感じない―此れは大変なことである―此れまでのミラーへの此方の評価を、一新させるほどのインパクトと云ってよい―

 一昨日は参拾度、昨日は弐拾四℃、冷房を切って、窓を閉めて寝た、本日弐拾七℃―まあ、ちょうどいいかな―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世 

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《南回帰線》にはミラーの面白さが凝縮されている反面、ミラーのツマラナサが同時に横溢している―ミラーは《南回帰線》を三度、書き直したと、あとがきに書かれてある―だから、どうした

 皇紀弐阡八百六拾参年七月弐拾四日

 五時弐拾起床。ヨガ。

 ミラー《南回帰線》角川文庫・清水康雄訳

ようやく読了―此の間、執筆に忙殺されていたために、時間が掛ってしまった―此のブログ更新が捗らなかったのも、其のためである―今、調べてみると、読み出したのは参月壱拾五日だった―

 此れで四人の訳者での《南回帰線》読破である―以前、特に違和感なく読めると書いたと思ふが、途中から印象が変ってきた―当り前だが、訳者によってニュアンスは異なる―いちいち、突き合わせて調べたりはしないが、何となく違いが判ってくる―此の角川版は《完訳》とある、初版が昭和四六年だから、恐らくは新潮社版の大久保訳に対する意味合いだろふ―他の訳者との比較はしていないが、読みながら所謂濡場における表現で、あゝ、此の箇所、この文言が其れまでは省かれていたのだろふ、と思い当る処が幾つかあった―

 当り前だが、省略されるより、総て訳されたものを読んだ方が良いに決っている―譬えば、友人と水泳に行き、主人公(ミラー)は其の友人の妹とどうにか懇ろになりたいと、下心を見せるが、友人は其れを知って、妹を遠ざけようとする―其の日、友人と別れて帰宅する途中に、偶然にも其の妹に出会って、早速お愉しみになる―其のシーンが、恐らくは他の訳では一部、削除されているようだ―

《南回帰線》は読ませ処は多いが、個人的には此のシーンは特に好きである―此処は削除版では味わえない感興が出ている―

 とは云ふものの、読み終っての感想は、必ずしも両手を挙げて満足とは云い難い―寧ろ、河野一郎訳、磯野訳の方を好む―何故か―訳文はかなり硬い印象で、処ゝ、平明、逆に云えば味がない―此れは現在の感想だが、本来、翻訳者は作家でなければならない、と勝手に思っている―訳文は唯、精確であればよいのではなく、其処には情緒、味わいがなくてはならない―だから、原語に堪能≒名訳とはならない、当り前の噺である―以前も取上げたが、吉行淳之介訳の短編を愛読しているのも、其のためである―但し、作家だから総ていい訳にならないのは、かのチャンドラーの翻訳で証明されてはいるのだが―

 此の文庫本の解説を訳者が書いていて、此の作品はミラーの最高傑作であり、またミラーは二〇世紀最大の作家である、と賞賛している―五〇年以上前、未だミラーが存命中の評価であるから、其の分は割引いておく必要はあるだろふ―

 昨年の秋以降、四度眼の《南回帰線》である―特に今回は時間が掛ったので、また印象深い―つい一週間ほど前には、読みながら、恐らく此れが最後の《南回帰線》になるだろふ、食指の動いていた水声社版のコレクションには、手を出さないだろふ―と云ふ気持ちになっていた。

 一昨日から昨日、終盤の頁を捲りながら、眼の醒めるような箇所にぶつかって、ガラリと気持ちが変った、もっと読みたい、いや、読まなければ勿体無い、と―

 以前も同じ感想を書いたはずである―ミラーの長編は砂場で宝石、砂漠でオアシスだ、と―今回も同じだった―《南回帰線》にはミラーの面白さが凝縮されている反面、ミラーのツマラナサが同時に横溢している―ミラーは《南回帰線》を三度、書き直したと、あとがきに書かれてある―だから、どうした―要は推敲とは篩に掛けることであって、無駄な文章、文言を削り取っていく作業である―ミラーもそうしたのだろふ―が、其の篩の眼が大き過ぎたのではあるまいか―イヤイヤ、玉石混交、魑魅魍魎、既製の約束事を破壊する処に、ミラーの真骨頂があるのだ、と云われれば、まあ、そうだね、と應えるしかない、後は好きか嫌いか、である―

 料理で云ふなら、無国籍料理か―つまりごった煮―味は必ずしも洗練されている訳ではなく、非道く濃厚な味付けで、其れを次か次へと出されれば、食傷気味にもなろふ―もういいよ、と思っているのに、此れでもかと、出てくる皿の数ゝ―うんざりしていたら、ひょいと、気の利いたデザートが出されて、再び舌鼓を打つ―そんな趣だ―

 其の勢いで、つい中央公論社版・谷口陸男訳の出だしを読んでみた―此方は実に自然な訳で、読みやすい―此れまでで一番ではあるまいか―此のまま、どっぷりとミラー・ワールドに浸るのもまた一興か―

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 惟神霊幸倍坐世

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《朱い飛行船 レッド・ゼッペリン Ⅰ》(オリジナル《牝猫のストック》)リライトを終了―濡場を中心に細かいディテールを加筆修正、予定では参巻で完結

 皇紀弐阡八百六拾参年七月弐拾弐日

 五時起床。ヨガ。

《朱い飛行船 レッド・ゼッペリン Ⅰ》(オリジナル《牝猫のストック》)リライトを終了―濡場を中心に細かいディテールを加筆修正、予定では参巻で完結―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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《Led Zeppelin》を長いこと、リードするツェッペリンだと思っていた―彼是と検索してみたら、元ゝはキース・ムーンの口癖のフレーズだったことを知った

 皇紀弐阡八百六拾参年七月壱拾八日

 五時起床。ヨガ。

《Red Zeppelin朱い飛行船》オリジナル《牝猫のストッキング》のリライトを続ける―二人眼のヒロイン田代真亜子vs沖―途中までリライトしてから、どうも気に入らないので、最初から書き直す―大筋は変らないが、オリジナルのディテールはちょっと頂けない―ナイフで脅して、と云ふのでは如何にも芸がない―其れでも、真亜子に対する思いは伝わってくる、もう参拾年前になるのか―

 コメントで気づいたのだが、《Led Zeppelin》を長いこと、リードするツェッペリンだと思っていた―かつて壱拾代の頃に読んだ音楽雑誌に書いてあり、尖端を行くバンド、と云ふ意味だと思いこんでいたのだ―今回、コメントを貰って、彼是と検索してみたら、元ゝはキース・ムーンの口癖のフレーズだったことを知った―

 さらに《Zeppelin》は日本ではツェッペリンだが、英国ではゼッペリンと発音するのが近いらしい―其れも知らなかった―

 未だタイトルは確定ではないが《レッド・ゼッペリン〜朱い飛行船〜》に変更しようかと思案中―牝猫における組織《ネイビー・キャッツ》の変名である―折角のリライト版・B級ヴァイオレンスである、洒落とパロディに徹するのも一興ではないか―

 リブレ・オフィスがフリーズし捲る―原因を彼是と調べ、設定を変更したり、CPUのクリーニングしたり―が、直らない―ネットを閲覧しているときには、特にフリーズしないのだが―

 気なっていたことがなかった訳ではない―《牝猫のストッキング》のアップデート以降にフリーズが起き始めた―原稿を《上下》で一括して処理していたため、壱阡弐百枚に及ぶ量が大き過ぎたのではないか―

 で、今日はまず四百枚ほどに分割して、リライトを行っている―今の処はフリーズが起きていない―果たして、此れが要因なのか―

 午後、一度だけフリーズ―此れでもマシな方ではあるが―

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 惟神霊幸倍坐世

  

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《Red Zeppelin〜朱い飛行船〜》(オリジナル《牝猫のストッキング》)のリライトを進める―今の処、物語の大筋に変更はなし。濡場を大幅に加筆する―其のため、矢張り参分冊になる気配

 皇紀弐阡八百六拾参年七月壱拾五日

 五時起床。ヨガ。

《Red Zeppelin〜朱い飛行船〜》(オリジナル《牝猫のストッキング》)のリライトを進める―今の処、物語の大筋に変更はなし。濡場を大幅に加筆する―其のため、矢張り参分冊になる気配―《Ⅰ》の半ばまで進む―

 此方もようやく気温上昇―明日は今年初めて、外でのダッチオーブンを気持ちよく出来そう―

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 惟神霊幸倍坐世 

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《牝猫のストッキング》今、読み返せば、此れはピカレスクロマンと云った趣もないではない―仮タイトル《Red Zeppelin〜朱い飛行船〜》

 皇紀弐阡八百六拾参年七月壱拾弐日

 六時起床。ヨガ。

《牝猫のストッキング》昨日、アップデートを終了、壱阡壱百八拾枚―基本的にオリジナル・ヴァージョンとして残すことを年頭に、大幅な修正は行わなかった―此の後、リライトに取り掛る予定―また、タイトルも変更する予定―此の分量だと、或は参分冊になるかもしれない―

 リライトするのは主に濡場となるが、改めて再読すると、当然ながら時代の変遷を感じない訳にはいかない―当時は未だインターネットが普及していなかった―スマートフォンもなかった―喫煙者が多数で、テレビを点ければ国民的な《アイドル》と呼ばれる人気歌手やらタレントがいた、今もいるかどうか知らない―そして、男女の有り方も、変ったのか、変ったように思い込まされているのか―

 今、読み返せば、此れはピカレスクロマンと云った趣もないではない―当時、どれほど意識していたかは覚えていないが、そうした類への嗜好があったことは間違ひない―そして、其れは今もある―前回も書いた通り、此れをハードロマン、ヴァイオレンスのパロディと讀むことも出来よう―其のためなのか、久しぶりに自作を愉しんだ―

 早速、リライトを開始―昨日からタイトルを彼是と考えていたが、先ほど仮タイトルが泛んだ―

《Red Zeppelin〜朱い飛行船〜》大丈夫かな?

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世 

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B級映画の愉しみと云ふ本があったと思ふが、後にはB級アイドルとかB級グルメなんてのも流行ったっけ―其の路線に、此れは近いものがあるかもしれない―今でも、《B級ヴァイオレンス》として、十分鑑賞に耐えるのではないだろふか

    皇紀弐阡八百六拾参年七月

 五時四拾五分起床。ヨガ。

 本日、最高気温39℃の予報、相模原は41℃だそうだ―流石に、此処までの気温はほとんど体験したことがない―昨夜から、非道く暑苦しいな、とは感じていたのだが―不要不急の外出は控えろと、気象庁も云ってるので、そうしよふ―

《牝猫のストッキング》上巻のアップデートを終える―改めて熟読すると、思っていたよりも悪くない―確かにディテール、物語、濡場はかなり粗っぽいが、其れなりの勢いと、思入れは感じられる―

 かつてB級映画の愉しみと云ふ本があったと思ふが、後にはB級アイドルとかB級グルメなんてのも流行ったっけ―其の路線に、此れは近いものがあるかもしれない―今でも、《B級ヴァイオレンス》として、十分鑑賞に耐えるのではないだろふか―出来れば、もう少しアップデートに手を加え、リライトもして配信したい―

 配信が終る頃には、秋風が吹いているだろふ―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

   

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