皇紀弐阡八百六拾参年壱拾弐月八日
五時四拾五分起床。ヨガ。
一昨日の噺―運転免許更新に出掛ける、五年ぶりである―昨年から、予約制になっていたらしい―午後二時過ぎに予約して、徒歩で向ふ―前回の記憶がかなり曖昧である―恐らく、すでにバイクから降りていたはずだから、矢張り警察署まで歩いていったのだろふ―途中にかつて行きつけだった床屋があり、同じ通りの参拾メートルほど先に移転したのを覚えている―頭の中では、其処まではほぼ真っ直ぐだと記憶していたが、今回は迷いかけてしまった―
移転前の一軒家の店は朽ちたままになっている―其の先の新しい店舗は、参階建てで、大層立派になっていたのも覚えている―恐らく、前のご主人が隠居して、息子さんの代になったのだろふ―かつて、そう、参拾年前には其の息子さんにも髪を切って貰ったことがあったっけ―
店の前を通り掛る―参色のお馴染みのサインポールが廻っている、が、手前に置かれた店名を書いてあるはずの行灯は、真っ白で字が消えてしまっている―さらに、入口のガラスドアには中が見えないように、何やらポスターのようなものが貼ってある―おやおや、ちょっと荒んだ雰囲気になりかけているな―
そんな事を思いつつ、脇を通り過ぎてさらに歩いていく―今回は和装である、勿論、初めてだ―此の道はかつてバイクで何度となく通った―此の先に郵便局の本局があり、其処へよく荷物を出しにいったのだ―さらに、傍にはスーパーがあって、其の向いにはぶっくおふがあった―既にかつてのスーパーは別の会社に変り、狭くなっているのは知っていた、弐階にあった某電気屋も撤退―
参拾分ほど歩いて、郵便局に寄ってから、警察署へ―予約していたが、QRコードがガラケーでは使えないので、壱拾弐桁の数字を打ち込むものの、認識せず―傍にいた女性がすぐに対応してくれた―参阡円を払って、視力検査―一発で合格したものの、かなりボヤケていた―次はメガネを変えなくては駄目だろうが、果たしてネクストがあるかどうか―之からバイクに跨ることはほぼないだろふし―
講習時間まで壱拾五分ほど空いていたので、例のスーパーの食料品売場を覘いてみる―ソコソコのスペースはあるのだが、以前の店の品揃えを知っている者からすれば、何の魅力も感じない店だった―オーガニック系の食材など、望むべくもなし―
講習に戻る―ビデオが始まる―高校生の子供をトラックに轢かれて無くした親御さんが登場―こう云ふ悲劇が、毎日起きているが、其れでも車がなくならない限り、続くのだろふ―壱昨年より死者数が壱阡人以上増えていると云ふが、今年はもっと増えるだろふ―そりゃ、そうだ、ろくに標識も読めないチナジンに、運転させてる売国政党があるからな―被害に遭うのは皆、日本人だ―車に乗らなくても、轢かれるのは日本人だ―即刻、国交大臣をムショに入れろ―
ビデオの後半、何故かキックボードの映像が挿入されている―此れも本来なら、安全運転の邪魔にしかならない危険物だろふ―世界中で、相次いで禁止されているものを、周回遅れで導入する日本の、悪魔のような利権構造―其処へ天下りする警察官僚、となれば、此の講習自体が茶番と云われても反論は出来ないだろふ―
参時過ぎ、新しい免許を渡される―当たり前だが、五年前の写真との差に、苦笑しないではいられない―尤も、あの頃より痩せた分だけシワが増えるのは当然ではあるのだが―此の五年に起きた出来事が、チラリと脳裡を過る―コロナ茶番にヴァクシン薬害、其の間に個人的には壱拾ヶ月の闘病生活もあった―
此方の身体はすっかり回復して、以前よりさらに健やかになったが、あの茶番劇は此れからも続く、いや、此れからが本番かもしれないのだ―
★
帰りは真っ直ぐの道を、普段利用するスーパーへと向ふ―あまり人通りは多くない―と、一人の五拾代の女性が小さな段ボールを手に、
「此の辺にクロネコヤマトはないかしら」
「さあ」
「此の近くにあるって聴いたのに、見つからないの」
非道く憤慨している様子だ―
「此の先に郵便局の本局ならありますよ」
と云って教えて上げた―と、壱百メートルほど歩くと、右手にヤマトの店があった―
さらに歩いていくと、矢張り五拾代の小柄な女性が、
「此の近くに税務署はありませんか」
「ありますよ」
振り返って、大体の場所を指さしながら、教えてあげた―妙な塩梅である―
スーパーでは兵庫県産の牡蠣があったので、初めて手を出してみた―大根がないので、塩水で洗い、牡蠣フライにしてみた―ナカナカ甘みがあって宜しい―また食べよふ―
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別名義の新作を午前中に脱稿―かなり手強いと思ったが、書いていく内に、スタイルを含めて新たな道が啓けて、思わぬ出来栄えとなった―
本日も執筆出来たことに感謝
惟神霊幸倍坐世
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