由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

「駄目、絶対に駄目です」と面と向って云われながらも、さらに希望を捨てずに付き纏う炎の画家―「逢わせてくれるまで、こうしています」と云って、蝋燭の火に手を翳し続ける

皇紀弐阡八百六拾参年四月弐拾参日

 五時五拾分起床。ヨガ。

 玄米朝食。

《ペイルブルーに染まって Ⅲ》執筆―昨日、既に書いておいた壱百枚を再チェックして、加筆した―引続き、恩地vsおんな弁護士の、今度はオフィスでの濡場に取り掛る―オリジナル版のシーンを踏襲しながら、より二人の心理も含めて掘下げていきたい―

《ファン・ゴッホ書簡集 Ⅰ》後半になるにつれ、いよいよゴッホの堪え切れない本音が顕になってくる―既に社会人としては無能であることが諒かになりながら、矜持だけは人一倍―《Ⅱ》に入ると、一時、唯一の理解者である弟のテオともトラブル―其の辺りから、さらに手紙の中で本音をぶちまけ、将に《炎の画家》の本性が顕になってくる―其処に至るまでには、二度に渡る失恋が大いに関りがあることは言を俟たない―

 今度のお相手は弐歳歳上の、子持ちの未亡人である―「駄目、絶対に駄目です」と面と向って云われながらも、さらに希望を捨てずに付き纏う炎の画家―とは云え、未だ画家としては誰にも認められていない無名のオトコ―画商の店員も勤まらず、牧師である父親を目指すも勉強に着いていけずに脱落したオトコ―単に能力が不足していた、と云ふよりは、其の自我の勁さのために、周囲と恒にぶつかる、謂わば社会不適合者の典型である―しかも、風体はボロボロの服装を纏い、当人ですら、其れに気づきながら、極貧のために弟から古着を譲って貰う始末―当人は「仕事」が忙しいと云ふ―で、其の仕事とは素描の事で、ほとんど売物にならない代物―つまり、無職である―そんな薄汚い、生活力ゼロの海のものとも山のものとも知れぬオトコに愛を告白されて、誰がオッケイと云ふものか―そして、あの有名な逸話、「逢わせてくれるまで、こうしています」と云って、其の保護者の眼の前で、蝋燭の火に手を翳し続ける―

 本日、久しぶりの快晴―気温壱拾弐℃―今年初めて電動自転車に乗って、買物へ―未だ手が冷たいが、気持ちは春、かな―

 執筆、エンジンが掛ってきた―

 本日は身内のバースデイと云ふことで、ピザを焼くことに―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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リライト版《ペイルブルーに染まってⅡ》ではオリジナルのおんな弁護士vs恩地の濡場六〇枚を四三〇枚に加筆―オリジナルを讀んだ読者にも充分に鑑賞に耐えると自負する

 皇紀弐阡八百六拾参年四月壱拾九日

 五時五拾分起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

《ペイルブルーに染まって Ⅱ》昨日に引き続き、再チェックを行ふ―昼前に完了―以前に書いたように、此のリライト版《Ⅱ》ではオリジナルのおんな弁護士vs恩地の濡場六〇枚を四三〇枚に加筆―そうなったのは、より濃密な描写を心掛けたためと、もう一つは各ゝのキャラクタアを掘下げたためである―此れは此の後の《Ⅲ》以降の展開にも少なからず影響を齎すと思ふ―元ゝがサンケイスポーツ紙に連載したものであるから、濡場自体はノーマルである―今回も其れを踏襲している―其れが結果的に、此の作品の此の濡場のアピールポイントとなっているのではないか―オリジナルを讀んだ読者にも充分に鑑賞に耐えると自負する―

 先週の暖かさから一転、本日七℃―羽織にマフラーでも外を歩くと、身体が冷えてくるのが判る―匆ゝに退散して、珈琲で暖まる―

 ファン・ゴッホ書簡集を続けて讀んでいく―  

 

 皇紀弐阡八百六拾参年四月弐拾日

 五時半起床。ヨガ。

 玄米朝食。

《ペイルブルーに染まって》《Ⅲ》に取り掛かった処で、ふとディテールを修正を思い付き、再び《Ⅱ》の頭の部分を加筆修正―《Ⅲ》は壱百枚ほど進んでいたが、其の後、ほぼ二月放置していた―其の間に、頭のリフレッシュと同時にエネルギー補給、さらに新たな技巧を見出せた、と思っているのだが、扨―

 週末になって一段と寒くなってきた―此の分では、矢張り此方の桜の開花は例年通り、ゴールデンウィークの頃か―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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弟のテオに書いた手紙には、其れまで見られなかったゴッホの心情が迸る勢いで書かれてある―しかも、其の文章は読書家でもあるゴッホの面目躍如とばかり、美事な表現力を発揮している

 皇紀弐阡八百六拾参年四月壱拾八日

 五時四拾五起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

 久しぶりに《ペイルブルーに染まって》を繙く―今月末頃、配信予定の《Ⅱ》、既に準備は整っていたが、そろそろ《Ⅲ》に取り掛る前に、再読―いくつか気になる点を発見―頭からチェックを開始する―

 ファン・ゴッホ書簡集Ⅰ、後半に差し掛かる―いよいよ自ら決心して画家への道を歩みだすのだが、其処に至るまでの道のりも結果を知っているだけに、より興味深い―

 弐拾歳の頃、書籍・美術商に勤め、其の後、牧師である父のようになりたいと、学校へ通う―が、共に途中で挫折―其の間に、失恋あり―其の様子は、ゴッホ自身の弟に宛てた手紙では読み取れない―其れが、壱阡八百八拾年七月付の手紙から一変する―

 どうやら弟のテオと仲違いしたらしく、久しぶりに書いた手紙には、其れまで見られなかったゴッホの心情が迸る勢いで書かれてある―しかも、其の文章は読書家でもあるゴッホの面目躍如とばかり、美事な表現力を発揮している―いや、読書家が必ずしも名文家にならないのは、以前も書いた通りである―つまり、ゴッホには其の資質もあった訳だ―

 此の書簡集は全六巻、未だⅠ巻の後半である―此の後の生き様は判っていても、其の優れた文章を味わうだけでも、価値のある書簡集であり、後世に残ったのも宜なるかな

《ペイルブルーに染まって Ⅱ》ちょうど半分まで再チェックを終る―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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自ら貧しさを選び、其れを愛するものは大きな宝を手に入れ、恒に自分の良心の声をはっきりと耳にしているようになるだろふ

 皇紀弐阡八百六拾参年四月壱拾七日

 五時半起床。ヨガ。

 玄米朝食。

 ファン・ゴッホ書簡集Ⅰ、一昨日、肝心の手紙までが長い、と書いた―が、讀み進めるうちに、実は下地としては重要であることを再認識した―ゴッホの主に弟のテオに宛てた手紙は、実は其の時ゝの生活状況や心境を吐露してはいるものの、客観的な記述、周囲の状況はほとんど書かれていない―また、其れを補填する説明文が挿入されてあることで、手紙に書かれたゴッホの心情、隠された心理が読み取れると云ふ訳である―

《自ら貧しさを選び、其れを愛するものは大きな宝を手に入れ、恒に自分の良心の声をはっきりと耳にしているようになるだろふ》

 いよいよ、画家に覚醒める処に差し掛かる― 

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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集英社版のあとがきは、富士川義之氏が書いている―ミラーの作品で評価出来るのは、此の《南回帰線》までで、其の後の《薔薇色》等は冗長で、讀む価値はない、と断言している

 皇紀弐阡八百六拾参年四月壱拾五日

 六時起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

 更新を忘れていた三日前のブログを―

 皇紀弐阡八百六拾参年四月壱拾壱日

 六時起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

 火曜日に仕事場に戻ったが、暴風雨の中、結局身内の車で駅まで向った―歩行者は傘を吹き跳ばされそうになりながら、歩いている―中には、もう諦めてずぶ濡れの人もいる―さらに交差点を跳ばされたビニール傘が、勝手に横断していた―

 駅に到着すると、間もなく隣の駅で、強風のために電車が停止したとアナウンス―一〇分ほどして、徐行で運転再開となった―今回は横浜まで行って、乗り換える―横浜駅では、ホームに出ずに階段の処で待っている乗客が多数―あまりの横殴りの雨で、ホームに立っていられないらしい―

 京浜線も遅れているが、羽田には余裕で到着―問題はフライトだが、搭乗は定刻に開始―着席すると、強風のため滑走路が一部閉鎖となり、離陸は参拾分遅れとなった―其れでも、追風のおかげで、フライト時間は壱時間壱拾分、つまり普段より壱拾五分も早い―

 千歳に到着するも、バス移動―気温弐℃とは此れ如何に―電車内も、駅でドアが開く度に冷気が流れ込む―長着に羽織では流石に寒い―其れでも、ほぼ予定の時間に仕事場に到着―暖かい珈琲でようやく落ち着く―

 扨、本日壱拾五日、一昨日辺りから俄に気温が上り、ようやくコートなしの羽織で外出―一昨日からは、新しい水色の久留米絣の長着で買物へ出掛ける―今秋末は再び、寒さが戻ってくるらしいが―

 ミラー《南回帰線》集英社版を讀み終える―其れまでの大久保訳、河野一郎訳と比べると、年代が壱阡九百七拾九年だけに、流石に訳語には馴染みがある―また、訳文自体、もっとも讀み易く感じた―此れで《南回帰線》を半年内で参回讀んだことになる―中身は判ってはいるが、訳の違ひ以外にも、作品自体に物語性がほとんどないだけに、立て続けに《北回帰線》《薔薇色の十字架》三部作を讀んだためか、夫ゝのエピソードがどの作品か判らないままだった―水声社と云ふ処から、さらに新訳が出ているので、どうれと、食指が動いたのだが―

 集英社版のあとがきは、富士川義之と云ふ東大の偉い方が書いている―要約すると、ミラーの作品で評価出来るのは、此の《南回帰線》くらいまでで、其の後の《薔薇色》等は冗長で、讀む価値はない、と断言している―全集だったら、こんなことは書けないだろふが、此の感想は実は大方の評価と合致しているのではないか―

 確かに今回《薔薇色の十字架》を讀んだ後、此の集英社版の《南回帰線》を讀むと、其の密度、緊張感、文面から泛び上る熱気のようなものがまるで違っているのが良く判る―昨年の夏以降、ミラーの全集を讀みながら、此方が感じていた感想も、富士川氏の指摘とほぼ同様だった―が、其れでも、飽きっぽい此方が兎にも角にも全集を読破したのは、其れなりに理由がある―以前も書いた通り、ミラーの饒舌体にうんざりして、放り出しかけながらも、時折、ハッとするような文章に出逢うからである―砂漠でオアシス、砂場でダイヤモンド、と以前も書いた―さらに、ミラーの作品は巨大な大河をカヌーに乗って下っていくような、そんな心持ちで讀むのが正解ではないのか、とも―風光明媚な処もあれば、見るのも不快な処、退屈な処、驚くような斬新な処、そんな景色が混在しているのであるから―

 此れも巷間指摘されていることかもしれないが、ミラーの作品は讀む側の心持ち、姿勢を試されると云えよう―其れが、ミラー自身どの程度まで意識していたかは知らない―従来の読書の在り方其のものを問い直しているのだ、と云ってみたいのだが―扨、水声社版まで手が伸びるかどうか―

 ファン・ゴッホ《書簡集》―先日、入手した此方を繙いてみる―此れもミラー効果だろふ―随分と昔、改訂版を所有していて、何処迄讀んだか完全に忘れている―或は、拾い讀みして其のままだったのかもしれない―

 頁を捲っていくが、肝心の《書簡集》に至るまでの前置きが長い―其れなりに貴重な資料であり、知識としては必要なものであるのは判るが、ちょっと長い―其れに、原文がどんなものか判らないが、どうも訳文がたどたどしい―また、《彼》を《かれ》(其の他にもあり)と表記する意味は何処にあるのか―讀み易さを考えれば、当然《彼》が正しい―近頃の愚かな日本の自治体みたいな、ひらがな変換を彷彿とさせる―と文句を云いつつ、ようやく手紙にたどり着く―

 本日も快晴、気温弐拾℃越え―此れなら、綿麻の着物でも気持ち良く歩ける―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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本日九日、雨―此の処、仕事場に戻る日は必ず悪天候である―今日は昼間、大雨だとか―こう云ふ場合、和装は厳しい―いっそ、着物はバッグに入れて、洋装で出掛けるか

    皇紀弐阡八百六拾参年四月

 時起床。ヨガ。

 玄米朝食。

 弐日前のブログの更新を忘れていたので、此処に載せておく―

 四月七日

 次第に晴れて、太陽が覘く―昨日も隙を見て、庭の草毟りをちょいとだけやってたら、スギナがしっかり芽を出して、一部はかなり大きくなっていた―手頃なのを選んで、昼の蕎麦に天婦羅で食べる―さすがに此の時期は柔らかい―と云ふことで、今日も軽く草毟りの合間にスギナをゲット―塩を付けて頂く―

 本日は弐拾参℃の予報―暖房を切って、窓の一部を開ける―午後、羽織で買物に出掛けたが、ちょっと暑い―桜もほぼ満開―ようやく終った―帰宅して、今年初めて朝淹れた珈琲をアイスコーヒーで飲んだ―

 本日の自炊本

 ドストエフスキイ《白痴》新潮社版世界文学全集

 ドストエフスキイカラマーゾフの兄弟》Ⅰ・Ⅱ 集英社世界文学全集

 米川正夫の全集は既に自炊済だが、読み比べしてみるのも俟た一興だろふ―と思ふが、何時になることやら―

 扨、本日九日、雨―此の処、仕事場に戻る日は必ず悪天候である―今日は昼間、大雨だとか―こう云ふ場合、和装は厳しい―いっそ、着物はバッグに入れて、洋装で出掛けるか―彼是考えているが、取敢えずはJRの駅までたどり着ければ、其の後は然程濡れる心配はない―何なら、以前のように横浜まで行けば、乗換の際も濡れないで済む―

 歩いて三分程の処にバス停があるのだが、此の雨の中、折畳の小さい傘では矢張り待っている間に濡れるだろふ―今回は、和装用のレインコートは持ってきていないのだ―なら、タクシーを呼ぶ方がストレスはないか―

 昨日の自炊―集英社世界文学全集にはミラーの《南回帰線》が入っていることに、昨日気付いた―訳者は磯野宏、未読なので、愉しみである―

 昨日、かつて仕事場に使っていた書斎の、自作の本棚、弐つを解体した―有合せの板を使った無骨な本棚だが、しっかり役目は果たしてくれた―恐らく参拾年は使っただろふ―未だ、自作の本棚と市販の本棚が残っているが、此れも一部を残して解体することになるだろふ―一部を残すのは自分の著作の初版本は、流石に今、自炊して廃棄するのは忍びない―手元にあったから、どうと云ふことはないのだが、此れは最期を迎える時に手を振る相手として残しておこふ―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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フォークナーとドストエフスキイ弐冊を裁断―まずはフォークナーから自炊― 《八月の光》《アブロサム、アブロサム!》《野生の棕櫚 》 何時買ったのか記憶にないが、恐らく古書店で一冊壱百円のコーナーだったはずである―俟た一つ愉しみが増えた

   皇紀弐阡八百六拾参年四月

 五拾起床。ヨガ。

 玄米朝食。

 以前の書斎にあったパワー・アンプ、マッキントッシュ250を二階から今の書斎へと下ろす―JBLのすぐ脇のラックの一番下から出すのに一苦労―そして、持上げるのにまたまた―弐月下旬にも、一台を試聴し、其れを北の仕事場に持込んだ―そして、今回は此方も試聴してから遣えるなら向ふへ送り、ツインで遣おうと―となると、今度はスピーカーもとなるが、今、輸送費が莫迦に値上りしていて、はてさてどうなることか―

 昼前に250を接続―異次元の音、いや、此れこそ本来の音、つまり音楽が其処から聴こえてくる事を再び実感―いきなり、左のスピーカーが聴こえなくなるが、どうやらパイオニアのプリアンプの問題らしい、以前からそうだった―兎に角、此れで仕事場もより快適になるだろふ―

 ミラー《サクセス》を終えて、自然と次の《プレクサス》へと手は伸びる―

 残り少なくなった本棚から新潮社の世界文学全集の端本、フォークナーとドストエフスキイ弐冊を裁断―まずはフォークナーから自炊―

 八月の光

 アブロサム、アブロサム!

 野生の棕櫚

 何時買ったのか記憶にないが、恐らく古書店で一冊壱百円のコーナーだったはずである―俟た一つ愉しみが増えた

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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