由紀かほる「憂国記」

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本日、配信開始。最新作《セシルの婚礼》由紀かほる アマゾン・キンドル

 皇紀弐阡八百六拾参年六月弐拾六日

 六時半起床。ヨガ。

 二日ほど前から《オフィス・ガール・汚辱のファイル》を斜め読みしながら、原稿用紙のスタイルに変更していく―奥付は平成4年、1992年、アップル・ノベルズ、日本出版社刊―其の歳には、仕事以外でも色ゝとあったのが思い出される―遠い遠い昔のような印象―

 内容は定番だし、特に驚くような噺ではない―文章が長いのは、未だ発展途上だった証か―姉妹がヒロインで、従順な妹に気丈な姉と云ふ設定も、似たパターンでは他にもあったと記憶する―

 不満を挙げれば、キリがない―尤も、従順なヒロインと云ふのも、近頃は書いていない分、却って新鮮な感じもしないではないが―設定としては、彼是と詰めが甘い―ヒロインよりも、ヒール役の二人のオトコのキャラが中途半端である―掘り下げれば、案外、中身も含めてアップグレード出来そうな感じである―見せ場は、中盤から後半の姉との濡場だろふ―ヒールの一人の方は、既にアイデアが泛んでいる―

三島由紀夫全集》再読の記、第8巻《幸福号出帆》本巻もまた20代後半のエンターテイメントを集めた一巻である―《恋の都》が《主婦の友》で、此方が《読売新聞》の連載―

 何も貶すのが目的ではない―唯、こうも不出来な作品を読まされると、流石に食傷気味になるのは致し方あるまい―以前も書いた通り、エンターテイメントだから、と云ふ言訳は通用しない―

 オペラのヒロインに憧れるデパートガールとハーフの兄が主人公であるが、脇役も含めて、よくもまあ、此れほど嘘くさい連中ばかりを集めたものだと、呆れながらも、却って感心してしまふ―

《恋の都》ではジャズ・バンド、今度はクラッシック・オペラであるが、三島の音楽に関するセンスのなさが此処でも露呈していて、知識では音楽は語れない、と改めて感じない訳にはいかない―

 其れでも、物語としては結末に至って、よく纏っている―但し、結末は勘のよい読者なら、本文の途中、いや、かなり早い時点で読めてしまふだろう―

 此の後の9巻以降の目次にズラリと並ぶ、有名な、そして名作とされている絢爛たる作品群を前にすると、余計に此の辺りの作品が低調であったことが目立つ―長編に限れば、廿代で読むべき作品は《仮面の告白》一作と云って良いかもしれない―

 二日ほど前から、PCが屡ゝフリーズ―以前から其の兆候はあったものの、無精が祟り、ついに昨日、連続してフリーズ―前回のクリーニングからどれくらいだろふ―実は其の際、CpUのグリースを塗り忘れていた―多分、其の影響だろふと判っていたのだが―

 デスクトップの本体を分解―冷却ファンのフィルターは塵芥だらけ―掃除、そしてCpUの冷却ファンを外し、古いグリースをウェット・テイッシュで落とし、塗り直す―元へ戻して、パネルを嵌めていく―毎度、感じるのだが、パネルを装着するのに、ネジを4ヶ所捻る作業も煩わしい―もっと簡単にはめ込む造りに出来ない訳はあるまい―

 かつての技術大国日本今何処―パソコン関連は美事に海外にヤラれちまった―いや、他にも諸ゝ―

 電源を入れて、起動―おや、何やら異様にファンが高い音を響かせる―構わず使ってみたが、間もなくフリーズ―グリースの量を間違えたのか―いや、ひょっとするとファンの取付けが甘かったのかもしれないと、再び、電源類を外し、パネルを外し、確認―其の間、ノートパソコンでグリースの塗り方をチェック―薄く塗った方がよいらしい―ウエットティッシュで綺麗に落として、再び使わないカードを切って、ヘラ替りにして塗ってみる―今度はファンをかっちりと固定―改めて、起動―おゝ、静かになった―

 先週土曜日は義理の姪の結婚式―親族ってことで、逃げることも出来ずに、出席―朝、9時スタートと、顰蹙モノの時間割で、朝4時に眼が醒める―此れは毎度のこと、其の後、7時近くまでウツラウツラでちょうどよい睡眠となるのだが、当日は5時過ぎに起き出し、日課のヨガ―簡単に食事―愈ゝ、和服の本番の日がやってきた―グレーの夏紬に、グリーンの単衣の羽織、白の半襟、白の羽織紐、白の足袋、白の鼻緒の草履―

 目指す到着時刻は8時半―運転手に何時もの女子がやって来て、7時15分出発―到着は8時―はえゝ、早すぎる―

 待合室で花嫁の父と暫し歓談―結婚式に出るのは何年ぶりですか?と聴かれてたが、すぐには思い出せない―多分、30年ぶりだろふ―因みに、人生三度眼の出席である―

 其の後の噺は簡略―教会の屋上で、歓談し、写真撮影、さらに何故か風船を渡され、100人ほどが一斉に空に放つ、と云ふ不明な儀式もあった―花嫁は其れを高校時代に見て、何時か此処でと思っていたそうな―

 雨の予報が薄っすらと陽が指す天気―ま、願いが叶ってよかった―

 幼稚園、小学校と実はC系の学校に通っていたので、毎週土曜日の朝は礼拝堂で、お祈りをさせられたし、賛美歌も唄った―今回は何故か此の教会の日本人が作詞作曲した曲を唄ふことに―すぐに覚えられないし、もっと有名な名曲にすればいいのに、と愚痴を一つ―

 一時間で終了して、披露宴の会場へバス二台で移動―其の頃から、太陽が降り注いでくる―そんな中、スパークリングワインに生ハムなんぞが振る舞われ、流石に10時半ははえよ、と思いつつ、弐杯参杯と―

 11時から会食が始まる、余興も其の間、次から次へと―はゝん、ワケーのが挙式を上げたがる気持ちも判らないではない―特にダチの多い新郎新婦なら尚更だろふ―

 二十歳でドロップアウトした此方には、まるで縁のない世界である―

 帰宅しのが、4時半―勿論、二次会は遠慮した―後はワケーのがドンちゃんやるのだろふし、抑、体力が―シャワーを浴びて、一眠り―

 其のときになって気づいたが、唯、当日の早起きが祟ったのではなくて、水曜日の熱中症が尚、尾を曳いていたようだ―本日も未だ、時ゝ、頭がクラリとなる―治ればいいが、どうだろふ―

 総論―傍観者としては、気羞かしさを覚えること屡ゝだった―矢張り挙げるなら、午後が宜しい―教会でありながら、厳かな雰囲気はほぼ皆無―信心など出席者にあるはずもなく―なら、教会でやる意味はないだろふ、と当初の予想通りの結果となった―

 紬、袴ナシは本来NGらしい―以前も書いた通り、着物警察が居たら、突っ込まれたろう―其のとき返す言葉は、いくらでも用意してあったのだが―抑、着物姿は他にはいなかった―もし、袴でも履いてたら、格式高すぎて、新郎新婦の何方かの父親と間違えられたかもしれない―いや、ないか―

 来賓たちは男はグレー、紺、黒系のスーツ、女子はドレス姿―雰囲気としては、かなりカジュアルな印象で、其れも含めて袴は却って浮いたに違いなひ―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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