由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

此のブログは偶に一年前の自らの記事が、メールで送られてくる―昨年の弐拾七日、バースディと云ふことで、パエリアを作って食べたとある―今年も、三日前から其の予定だったが、昨年のメニューまでは覚えていなかった―

 皇紀弐阡八百六拾弐年壱拾壱月弐拾七日

 五時弐拾起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

 まず、三日前の更新し忘れたブログの一部を以下に転載― 

 

 皇紀弐阡八百六拾弐年壱拾壱月弐拾四日

 五時半起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

 ノンアルコホール生活、継続中―其のお陰かどうか、早寝早起きに生活のサイクルが変りつつある―昨日は四時半過ぎに起き、今日は五時半―五時起きが目標だったが、次第に近づきつつあるのかもしれない―昨日の早起きは、其の前の日、二ヶ月ぶりのダッチオーブンで疲れたため、八時に就寝したせいだろふ―

 早起きすると、午前中が当然長い、其の分、執筆を中心に彼是とこなせる―また、ノンアルコホールだと、夕食後に読書、場合によっては執筆も可能である―

 昨日は此方としては異常な18℃と云ふ気温、外を歩くと、雪虫が跳び廻っている―もう長着に羽織だけで散歩も最後だろふと、水天宮まで脚を伸ばす―今日は未だ暖かいが、此の後、予報では連日雪である、最高気温も氷点下らしい―

 本日弐拾七日、予報通り、一昨日、昨日と天候は荒れ模様、吹雪に氷点下、道路はアイスバーン―今日はやや穏やかに―

 此のブログは偶に一年前の自らの記事が、メールで送られてくる―昨年の弐拾七日、バースディと云ふことで、パエリアを作って食べたとある―今年も、三日前から其の予定だったが、昨年のメニューまでは覚えていなかった―

 次の配信作候補《美人課長・密室残業》廣済堂文庫の書下し―三日前から、再読して、昨日は一回眼のアップデートを行った―出来は思ったより遥かに良い―此れも、間もなく配信の《キャビン・クルー・制服コレクション》同様に、オトコの主人公が複数の女性と関係するパターンである―そう云ふ、出版社側の要望に沿ったものだが、改めて読むと、意外に面白い―しかも、ごくノーマルな濡場でありながら、彼是と工夫がされている―リライトが必要なのは、出だしの濡場と、主人公のキャラクタアの掘下げだろふ―

 珍しく、舞台は関西圏が中心である―実は此の当時、毎月のように神戸を中心に大阪、京都を散策していたのだった―其れが作品の中身に直接影響を与えはしなかったが、個人的には当時のことが忍ばれる―

 以前も書いたが、其処で知り合った知人たち、親しく飲み歩いていた友人たちが何人かいた―其の内の二人は既に鬼籍に入ってしまった―十三にある居酒屋のご夫婦は、一度、此の北国まで遊びに来たことがあるが、其の後、離婚―また、神戸の元町にあった行きつけのレストランは一年前に、閉店すると云ふ葉書を貰った―さらに、古くから付合いのあった友人とも、其の後、詰らぬ誤解で没交渉となってしまった―あの放浪の旅は何だったのか―一つの通過儀礼のようなものだったのかもしれない―自身の迷いの顕れを、其のまま具現化した旅だったのだろふか―今になって、そう思えると云ふことは、無意味を実感出来ただけ意味があったのかもしれない―

 お伊勢参り備忘録・その4

 書き忘れていたが、例の伊勢のバルでの食事の際、マスターが噺に加わり、

「オーガニック系の安い店が、この近くにありますよ、他では買えないものが色ゝとあるので、良かったら此の後、店を閉めて、車で案内しますけど。但し、小さい車なので、乗せられるのは三人までなんですけど」

 と云ふので、女子三人に席を譲り、此方は一人、夜道をホテルに戻ることに。人通りの途絶えた街だったが、ほとんど迷わずにホテルに到着―後で聴くと、店はスーパーらしく、確かに有機栽培の日本茶などが格安で売っていた、と云って、お土産も含めて、夫ゝ、購入したらしい―今、其のお茶を毎日頂いている―普段の無農薬の日本茶より、価格は三分の一である―味は流石に劣るが、いい買物だった―

 扨、名古屋の呉服店での噺―以前、書いたかどうか、お伊勢参りの前に《楊洲周延》の展覧会を観た―着物で御来場の方は二〇〇円引きと云ふ、例のアレである―其の際に観た浮世絵の中に、名前は失念したが、歌舞伎役者の絵が何枚かあった―当然、和服である―其の中にあった淡いグリーンの長着に淡い藍色の羽織姿に眼が行く―其の隣では、矢張り淡いグリーン系の渋い長着姿が描かれている―備忘録3でも書いた通り、既に呉服屋さんのホームページで目星は着けておいたのだが、其の色合いと将に重なっていた―

 扨、呉服店で観た実物は、ネット画像よりもずっと濃い色味―其のことを店長に告げると、確かにそうですねえ、と云われ、

「頭の中に此のイメージが出来上っていたので、今、他のモノが思い泛ばないんです」

 と事情を説明―基本は淡い色で、派手な柄の入っていないものと付け加えると、早速他のサンプルを出してきてくれた―

 まずは淡い茶色に近い反物、続いてクリーム系の反物―何方もひと眼でいい、と思った―

「後で、鏡の前で合せて見ましょう」

 と云われ、続いて店内を案内して貰う―帯、草履等を物色しながら、

「実は歳は喰ってるんだけど、着物はビギナーなんですよ」

 等と彼是と会話を交す―当然ではあるけれど、和服にハマって以来、女子は別として、オトコ同士で着物のネタで会話を交したことは一度もない―いや、一度、某狸小路の店の創業祭のときに、店員さんと軽く言葉を交したことはあったけれど―

 周りにオトコで和服を常時着ているヒトは皆無である―ビギナーとしては、ネットや動画等で情報を収集、知識を蓄えるしかなかった―半年が経ち、さらに一〇ヶ月余りが経過して、其れなりにマイサイズ、着物の種類、着つけの仕方等を覚えはした―とは云え、飽くまで自己流と云ってしまえば、其の通りなのだ―

 其の自己流の間違いが、今回の呉服店訪問でいくつも見つかり、すぐに是正されることになったのである―云うまでもなく、相手はプロである―判らないこと、疑問に思っていることをぶつければ、直ちに正解が返ってくるのだ―此れは実に有難かった―

 譬えば、其の日着ていったグレーの夏紬の長着―前日、近鉄で珈琲を零したことは以前書いた通り―店長は、

「其れはなるべく早く処置した方がいいです。もし、行きつけのお店がないのなら、ウチでも承ります」

 と云ってくれた。

「もう一着、着替えがあるのなら、此の後ホテルに帰って、其処からウチに郵送して貰えれば、送料も安く済みますから」

 因みに、其の夏紬は大層気に入っていた長着で、丈がもっとも長い―其の長さに関しても、少し長過ぎると指摘を享けた―実は、お伊勢参りの最中、身内に何枚か写真を撮って貰って、其れを見ると、確かに思ったより長いな、と思っていたのである―

 ネットでは、長さは個人の好み、と云ふのが共通した意見であるが、ある人のブログでは、「長ければ長いほどカッコいい」とあった―其の意見に此方も同意していたのだった―とは云え、其れにも限度があることが、今回、実感されたのである―

 扨、愈ゝ、鏡の前に立って、反物を合せることに―其の間、店内でも此方は扇子で貌を扇いでいた―

「今日は暑いですからねえ」

 と店長。

「えゝ、実は北海道から来たんですよ」

「ほ、北海道っ!」

 毎年、此の時期お伊勢参りに行き、帰りに名古屋で一泊するので、今回は思い切って、此の店まで脚を伸ばすことに、と説明―

「もう向うではストーブ焚いてます」

「はゝ、ウチなんか今日は冷房ガンガンですよ」

 等と会話を交し―

 何やら、初対面とは思えぬ遣取りが続くのだった―

               此の項続く

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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