由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

《令嬢物語・ペイルブルーの咆哮》此れはなかなかに懐かしい―実はタイトルの《ペイルブルー》はM・フェイスフルのアルバムからヒントを得たものである―

   皇紀弐阡八百六拾弐年壱拾弐月壱拾日壱拾弐

 五時半起床。ヨガ。

 玄米朝食。

 天気予報通り、雨である―其の中を午前中、羽田へと向ふ予定、昼頃は荒れ模様、跳ぶか跳ばないか、其れはスカイマークに聴いてくれ―

 年内、由紀かほるはお休みの予定なれど、別名義のモチーフを考えている間、ふと過去の作品をチェックしてみる―《令嬢物語・ペイルブルーの咆哮》此れはなかなかに懐かしい―と思って、チェックしながら斜め読みをしたが、ほとんど内容を覚えていない―当初、サンスポに連載したとばかり思っていた―が、其れにしては、ちょっと過激だな、と改めてアップル・ノベルズを本棚から取出してみると、違っていた―勘違いしたのは、此のタイトルの意味合いに関して、当時のサンスポの名物編集長から彼是訊ねられたのを覚えていたからだった―実はタイトルの《ペイルブルー》はM・フェイスフルのアルバムからヒントを得たものである―表紙のイラストであるが、わざわざ其のレコードを当時の日本出版のY社長経由で、イラストレーターに手渡して貰い、其のイメージで書いて欲しい、とお願いしたのを、今、思い出した―因みに、其の後、アルバムのジャケットは返却されなかった―家にはLPレコードだけが残り、仕方なく、もう一枚買い直して、未だ持っている―

 ノベルズを見たら、カバーに珍しく《作者の言葉》が載っている―

《ヴィジュアラル時代と呼ばれて久しい。ことにアダルト関係の中での、ビデオの隆盛は圧倒的である。が、人間の性欲は何も視覚によってのみ煽られるものではない。ことに現代人は五感以上に観念のフィルターを必要としている。それを描くのに最も適しているのが小説ではないだろうか。本編では複雑な社会の歯車からこぼれ落ちた男の「生」と「性」を描こうと思った。生きざまはバラ色ではもちろんない。暗いが、暗黒でもない。沈んではいるが、決して消えることのないペイルブルーだ。それは魂の色である。この男の叫びが伝われば幸いである》

 だそうだ―此の文章も出だしの処だけは記憶しているが、ほとんど覚えていない―本篇を読み終ってから、此の言葉を読み直すと、云っていることは其れなりに伝わってくる―此の作品の肝は、二人のヒロインや男子大学生ではなく、矢張り恩地の存在だろふ―

 恐らくは、作者の言葉のような内容は、所謂官能モノの読者は別に求めてはいないに違ひないし、寧ろ邪魔に思うかもしれない―其の意味では、此の作品を書いたとき、既に官能モノと云ふジャンルからはみ出そうと云ふ意識は勁かったことが判る―

 恩地以外のキャラクターに関しては、もう少し手を加える必要があると思ふが、此れならアップデート、さらに一部にリライトを行って、配信する意義があるだろふ―

《ペイルブルーの咆哮》のタイトルだが、《咆哮》は当時から少ゝ、無理があると感じていたが、アマゾンで配信の際は、此処だけ変えることになるかもしれない―

 昨日夕方、例の名古屋の呉服屋さんから電話―頼んでおいた綿の長着が仕立て上った、と連絡が入る―今週末には届くようだ―クリーニングに出した夏紬は、年明けになるとも―

 扨、スカイマークは跳ぶだろふか―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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