由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

ヘンリー・ミラー―出逢ったのは若い頃だったが、本年、再読、全集で堪能出来たのは、大きな収穫だった―何時か、其処から芽が出るかもしれない、そんな予感がしている

   皇紀弐阡八百六拾弐年壱拾弐月拾日

 四時起床。ヨガ。

 玄米朝食。

 一月半ぶりに自宅に戻る―ふと、洗面台の鏡を見て、おや、貌がほっそりしてきたな、と気づく―少し前から、そう感じていて、実際に一週間前に体重計に乗ったら、一㌔ばかり減っていた―恐らくは、ノン・アルコホール生活のお蔭だろふ―酒のカロリーだけではなく、酒の肴を頂かないのだから、当然である―今の体重は、かつて彼是と試みたダイエットでも、中ゝ達成出来なかった領域である―一度、蒟蒻でさらに減ったことがあったが、イケないのは体力気力も減退したことである―今回の場合は、ダイエットが目的ではないのに、そうなった分、寧ろより健康的になったと実感している―

 夏が終り、秋が終り、今回の帰省は草むしり作業がないから楽、と思っていたが、何やら笹竹やら得体の知れないトゲトゲの出てる雑草とか、枯れかけた背の高い草とかしぶとく残っていた―木曜日が気温弐拾℃、金曜日壱拾八℃、昨日壱拾九℃―出掛ける際は、長着に羽織で十分間に合ふ―快晴で、気持ちよい、感覚としては壱拾月の下旬のような気候か―買物に行って戻る頃には僅かに汗ばむほどだった―冬は棲むなら太平洋側に限る―

 明日から雨模様と云ふので、日曜日、午前中から年に一度の蜜柑狩りに合わせて、庭を綺麗に―と云っても、デカいビニール袋一つで、腰が痛む―

 本年の蜜柑は凶作―昨年が六百個、小さいが味は良かった―其の反動か、今年は六拾個弱(隣の家人が既に参拾個収穫済)で、しかもデカいが、皮が硬い―味は推して知るべし―来年に期待しよふ―

 ミラー《追憶への追憶》全集の中の一冊―他の巻もそうだが、特に小説と云ふ括りではない巻に、短編小説が含まれている―尤も、愛読していた吉行淳之介訳《愛と笑いの夜》の中に入っていたので、小説のカテゴリーに入れているが、其れをエッセイと呼んでも、自伝と呼んでも不自然ではない―此処には《占星術》が入っているが、矢張り訳者の違ひだろふか、かなり印象が違ふ―此処は作家吉行淳之介の方が《役者》が一枚上と云ってしまおふ―

 こうして全集(但し、総ての作品が収録されている訳ではない)を読み進んでいくと、《北回帰線》に始まる《薔薇色の十字架》の自伝に近い長編の他に、いくつかの短篇こそ残しているが、小説作品と呼べるものは意外に少ないと判る―勿論、長編は夫ゝがフルコースであるから、其の量は半端ではないのだが―何れにせよ、其れがエッセイであれ、小説であれ、評論であれ、どれも此れもミラー節に彩られていることは今更云ふまでもないだろふ―

 出逢ったのは若い頃だったが、本年、再読、または初めての作品も含めて、全集で堪能出来たのは、大きな収穫だった―何時か、其処から芽が出るかもしれない、そんな予感がしている―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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