皇紀弐阡八百六拾弐年壱拾壱月壱拾参日
六時起床。ヨガ。
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ノンアルコホール生活、昨日で三日―三年ほど前の病のとき以来になるだろふか―特に飲みたいと云ふ気持ちにならないので、何の苦痛も感じない―寧ろ、同じ睡眠時間でも、飲まない方が翌日、疲れが解消されているように感じるのだが―
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別名義の書きかけの作品を久しぶりに読み返してみる―パソコンのファイルの日付を見ると、九月弐拾弐日とある―ほぼ二ヶ月ぶりの再会、いや再開と云ふことになる―
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天気は雨模様、今夜から雪が降るらしい―未だ最高気温はプラスだから、平地で積もるのは先の噺、とは云え、愈ゝ来たな、と、此の夏の異常な暑さと長さが偲びつつ、独りごち―
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お伊勢参り備忘録1
壱拾月壱拾八日、朝九時出発―今回も敢えて新幹線の事前予約はせずに出かける―毎度、鬼門となる新横浜での乗換―何時の間にやら、自販機脇にあったみどりの窓口がなくなっているので、五月同様に自販機で指定席を―今回は身内が同伴なので、二枚必要となる―画面に従って購入―改札口へと向うが、矢張り今回も引っ掛った―二人分買ったはずが、そうではなかった―不親切なワケー駅員に訊ねて、イヤイヤながらペンで何やら書き込んで貰い、みどりの窓口へ行け、と云われる―此処で初めて、窓口の場所が変ったことを知った―
結局、二本ほど遅らせて、名古屋行きの指定席を二枚購入―此の時刻、数分に一本の割合で、名古屋行きが来ている―其れでも、並んだ席は空いていない―
兎に角、乗れた―九時四〇分発だったか―此方の席の隣、窓側には五〇位の色黒の、猫背で妙にスカしたジャケットにネクタイ姿のオトコが、パソコンを前に坐っている―何となく京都人の雰囲気アリ―間もなくして、隣でパカパカとキーボードを叩く音がする―今回の千歳までのJRでも、パカパカ族と隣になった―かつては、移動のときも仕える小さいパソコンをゲットしようと思ったこともあったが、辞めた―同じパカパカ族になりたくないのも、理由の一つだったし、何より、公共交通機関での移動中は、読書に最適な空間だから―
発車して数分、喉がイガラッぽくなり、何度か咳払いをした―と、隣のキョート人、黒いマスクを嵌め出した―あゝ、やっぱり、タダナラヌ雰囲気があったもんな―
やがて、名古屋着―前回学んだ近鉄乗換の最短ルートを、今回も進んで、二分足らずで到着―ちょうど、伊勢行きの特急が 五分後に発車―
出発して一一時半頃、早めの昼食にする―何時もは玄米おにぎりだが、今回は身内が玄米は飽きたと云ふので、前日に自然食品の店で、サンドイッチを物色、が、売切れていたので、ピザサンドのような代物を買っておいた―朝、自宅のオーブンで灼いておいたものを食べる―普段ならお茶だが、今回は珈琲を淹れて持参した―何故、こんなことを細かく書くのかと云ふと、此の珈琲が今回の旅行に大きな影響を与えることになるからなのだ―いや、大袈裟ではなく、そうなのだった―
扨、ペットボトルの珈琲を飲む際、なるべく口を着けないようにと、ボトルを傾けたのがイケなかった―数滴が口から洩れて、着ていた夏紬のグレーの着物の襟に垂れた―
すぐに水を含ませたハンカチ、ティッシュなどで叩くようにして処置をしたが、此の時点で、果たしてシミになるかどうかは不明―とは云え、気分は宜しくない―
可笑しいな―之からお伊勢参りだと云ふのに、こんなことで躓くとは、あまりに幸先が悪い―実際に、此の一件が恒に頭の隅に残っていくのである―
昼過ぎ、伊勢に到着―快晴である―まずはホテルに荷物を預けに行く―何度も利用したホテルだが、経営が変って、名前も変って、リニューアルして、ちょいと料金も上った―
何時もの近鉄脇の道路を歩き、踏切を渡って月夜見宮を目指す―此方は人は少ない―コロナ莫迦騒動で中止になっていた手洗い場の柄杓もようやく復活―
五ヶ月ぶりの参拝―弐礼弐拍手、と、いきなり脳裡に、扉が左右に啓く様子が顕れ、其の吸い込むような流れの中に立つ自分が見えた―将に、霊験あらたかな一瞬だった―此れだけで、何やら満たされた気持ちになった―
実際、其の日、翌日と彼方此方を廻ったが、其の総ての印象と感興は、最初の瞬間に集約されていたのだった―
此の項、続く―
本日も執筆出来たことに感謝
惟神霊幸倍坐世
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