由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

本日、最新作《ペイルブルーに染まって Ⅰ》配信開始です。

 皇紀弐阡八百六拾参年参月参拾壱日

 五時半起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

《北回帰線》再読、昨日終了―此のラストシーンが、もっとも味わい深いと云ったら、当人は何と云ふだろふか―本作の冒頭、アナイス・ニンの、此の作品の総てが要約されている、と云われる有名な序文が載っている―一読したのでは、半分しか理解出来ない―其れは何も訳者のせいではないのだろふ―原文が小難しいのに違ひない―或は、此方の読解力が脆弱だからかもしれない―が、ミラーの其れがそうであるように、名文とは云ひ難い―優れた文章とは、今更だが、難解なことを簡潔に判りやすく書いたものを云ふのであるが―其の意味では此れは―

 此の壱拾年ほど、某著述家の本を随分と読んだ―敢えて名前は挙げない―中身はよい、と思ふ、だからこそ壱拾数冊も新本を買って読んだのだ―其の中にあって、再読に耐えるのは一冊、当人の生立ちを綴った一作のみである―一言で云えば、悪文である―当人は稀代の読書家らしく、其のことを恒にアピールしていて、確かに其の読書量には圧倒されるけれど、本を沢山読んでいるからと云って、名文が書ける訳ではない―著述家と書いたが、実際は起業家で、著述は飽くまで本業からは外れたものである―だから、点数を厳しくするのも大人気ないが、下手なものは下手だから仕方がない―優れた文章を書くには、修行と経験ともう一つ、決定的に持って生まれたセンスが必要なのだ、今更ではあるけれど―

 一昨日、買物へ出掛ける際、今年初めて草履で出掛ける―長かったな、と毎年此の時期に洩らす感想である―実際、此の冬は寒かったし、雪も其の分降って溶けずにいた―そう云えば《北回帰線》の中にも、パリの昏い湿った冬の後の、明るい陽光の美しい街並みの様子が生き生きと描かれていた―気候風土は、間違ひなく人の気分、気質に影響を齎すことが実感される―

 其の繋りではないが、其の気はなかったのに、《サクセス》に手を伸ばしてしまった―ちょうど、二度目の妻となる《モナ》との出逢いを中心にした内容である―我ながら、驚くのは年末年始に読んだばかりなのに、其の中身、物語をほぼ忘れているのだ―各エピソードは断片的に記憶に残っているのだが、詳細は美事なまでに抜け落ちている―訳者の河野一郎があとがきで書いていたように思ふが、ミラーを讀む場合は、其の細部をじっくりと読み込むのではなく、此の雄大な大河のような夥しい言葉の流れに、身を委ねて味わふのが宜しい、と云ふ処からすれば、全体を忘れたからと云って問題はないのだろふ―ちょうど、好きな音楽を何度となく再生して、其のメロディとリズムを味わい返すのと同様に―

 本日、最新作《ペイルブルーに染まって Ⅰ》配信開始―

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 明日は朔日、何時もの通り早朝より巫さまの御宅へ―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世