由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

深沢七郎に《センセイの云ってることって、まるごとサヨクですねー?》 と聴いたら《違う違う、オレは何処に属さないよー》と應えるだろう

 皇紀弐阡八百六拾弐年参月参日

 七時起床。ヨガもどき。

 酵素玄米。大根おろし、味噌汁。茶殻ふりかけ。藁納豆。長芋。

 昨日一〇時過ぎに就寝。疲労が溜ったからかな。いや、昨日の駅の階段の駆け上りと、その後のリュックを背負ってのショッピングもどきでかなり―偶にはヘロヘロになるのも、睡眠には必要だ、いくつになっても。

★ 

《裏町ぶるうす》新たな視点で、頭から修正を行う。先は未だどうなることか。

 昼前ヨガもどき。

 昨日の牡蠣鍋の残りで饂飩。生姜と溶き卵も入れてみる。

 夜のために、久しぶりに肉じゃがを造っておく。序に、新しく鶏ガラスープを仕込む。

 天気悪し。一昨日までの小春日和から、此処は一体―

 隙を見て買物に出掛けるも、たちまち雪が襲ってくる。今日は雛祭ってことで、魚屋の処には出来合いの握り寿司なんぞが並んでいる。要らない。アルゼンチン産の海老。要らない。一年中置いているが、不味いから置くな。

 昨日に引続き、ワカサギ。唐揚げだな。

 戻って、執筆を続ける。

 少し深沢七郎のことを書いてみようかな。

 一昨日、途中まで読んだのが《怠惰の美学》最初に手にしたのは弐拾代だったろう。其のタイトルもどうやら気に入っていたらしいのだ。

 中身は編集部の者が深沢七郎にインタビューする形を取っている。時事ネタである。最初に三島事件が出てくる。当然ながら、否定的である。

 また毎日新聞の記者が外務省の女性と彼是して、ネタを取ってスクープした―と云う当時は騒然となった一件。此れも深沢七郎は記者を擁護。

 続いて、沖縄の返還があり、此れにも否定的。《日本なんかに戻らない方がよかった。寧ろ中国に併合された方がいい》等と云っている。理由は先の戦争に於いて(此処でも深沢七郎大東亜戦争と云わずに、太平洋戦争と云っている。推して知るべし)、沖縄の人ゝは多大な犠牲を払ったからだ―と云っている。

 此等はすべてGHQの吹き込んだプロパガンダで、戦後の進歩的知識人たちが跳びついて、錦の旗にしたウソの自虐史観と呼ばれる《思想》である。今でも其れにしがみついている輩は後を断たない。

 以前、深沢七郎に、

《センセイの云ってることって、まるごとサヨクですねー?》

 と聴いたら、

《違う違う、オレは何処に属さないよー》

 と應えるだろうと、書いた。

 よくも悪くもアナーキストって云えば、歓ぶだろうか。

 当然ながら、戦中の軍部の悪口も云っている。あの戦争を全面否定している。深沢七郎は大正参年生まれだから、徴用されたが、健康問題で兵役を免除された。同年代の者が戦場へ行ったのに、当人は行かなかった。そんな人間が闘った人間の悪口を云うことほど、みっともないことはあるまい。実に汚いヤローだ―と思う。坂口安吾もそうだった(但し、英霊に対しては敬意を抱いていたが)。

 抑、威勢のいいことを云ってるなら、《風流夢譚》を書いて右翼に狙われたとき、出版社のデスクの下に潜り込んだり、公安とともに北海道まで逃げ廻るような真似はするなよ―と云ってやりたい。堂ゝと立ち向ったらいいじゃねえか。

 此れが昭和四拾五年頃のエッセイで、晩年に出た《ちょっと一服、冥土の道草》では、趣が違っている。

 非道く謙って、神妙な物云いの文章が顕れる。が、長年の読者(不熱心だったが)なら胡麻化されはしない。其れも実は人のいない処じゃ、舌出してそうな印象である。いや、貶しているのではない、それが深沢七郎って作家だろうと思うのだ。

 其のエッセイには例の《みちのくの人形たち》で受賞した川端賞辞退の言訳めいた文章も収められている。何やら、小難しい理由を捏ねているが、此方はどうでもいいと思う。それがどうしたって?そんなレベルだろう。 

 其の後、同じ本で谷崎賞を貰っているのだが、其の理由は多分本当だろうと思う。《春琴抄》を読んで感動し、何故なら深沢七郎自身も一時失明しかけたことがあったからだ―と云うのだ。

 一部では《川端が嫌いで、谷崎が好きだっただけだろう》と云われたらしいが、其れでも別に構わないと思う。

 が、此方の勝手な希望としては、

《いやー、川端賞んときは金があったけど、其の後、金が急に入用になったから、谷崎賞を有難く貰ったんだ》

 とでも云ったら、満点だったろうに。

 で、つまりオマエは深沢七郎が好きか嫌いか―

 と問われれば、

 好きな作品もあればそうでないものある―としか應えようがない。

 最高作は《楢山節考》で、其の後沢山の作品を書いたが、ついに其れを超える作品は書けなかった。個人的には《無妙記》を推したい。

 もう深沢七郎のことは書かないかもしれない。

 だから、最後に一つ余談を。

 つい数日前、此のブログに、見つからなかった大事な書類が出てきたことを書いた。古い文学全集の中の、深沢七郎の巻を捜しているときだった。

 その書類とは山梨県に関係するものであった―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

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