由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

久しぶりに執筆から解放される―かつて紙の時代は、一作仕上げた後の虚脱感はナカナカに心地良かった―翌日は午前中から出掛けて、夜は何処かで酒を嗜み―そんな日ゝだった

 皇紀弐阡八百六拾参年参月日

 六時四拾起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

 ほとんど需要のない着物ネタ―以前、壱拾年以上前だろうか、街宣繋がりで、拡声器ネタってのをやってたことがある―あのときも、まー、無料のブログ・ネタだし―と超のつくマニアックな噺をツラツラ書いていたのを思い出す―

 着物歴、ちょうど丸三月―色ゝと新しい発見があって面白い―当初の感覚とは随分違ってきている―

 以前も書いた着丈の噺―実際に着てみると、ネット等で推奨するサイズではほぼ総て、丈が短い、裄丈も―少しずつ長めのを揃え始めたが、最初にゲットした正絹のモノと、今月ゲットしたモノ(綿麻の浴衣)では、4糎違ふ―因みに、最初にゲットした浴衣とは6糎違ふ―其れで問題なく着用出来る―勿論、素材で大分違ってくることも、知った―

 扨、切欠となった6月の義理の姪っ子の結婚式まで3月―其のために、白い鼻緒の雪駄、踏まれても痛くないように、透明のカバーが着いて、さらに雨ではなくても不自然ではないようにと、紋まで入れた雪駄―冬の間は流石に雪道は歩けないが、ようやくアスファルトが見えてきたから、そろそろ―と思ひ、部屋の中で試し履きしてみる―未だ鼻緒の処が固くて痛いので、慣らしておこうと、室内でも履くようにしているのだが―

 其処で気づいたのは、雪駄で同じ長着を着てみると、着丈の短さが非道く眼につく―雪駄はゴム底で、少し厚みがあるが、矢張り着丈はもう少し長くてもいいのかもしれない―と気づく―

 昨晩、布団に入ってから、彼是と考えているうちに、初歩的なことに気づく―

 此れまで、外ではブーツかスニーカーを専ら履いていたし、室内ではスリッパだった―が、雪駄にすると、当然ながら足袋や靴下の爪先から踵、踝までが露出する―其のために、印象がかなり違ふ―ひと眼で、丈の長短が判るのだ―此れは盲点だった―

 此れまで、着物に関するブログ、動画等を彼是見てきたが、そう云ふ指摘があったことは寡聞にして知らない―其れはそうだろう―着物を着るのなら、前提として、履物は雪駄やら草履が定番である―確かにスニーカーもオッケイと云ふ文言を見かけはしたが、入口は飽くまでも草履である―

 さらに大事なことに気づく―以前書いた通り、インナーの襦袢が好きではないので、タートルやハイネック系のシャツを着ていた―其れは今も同じだが、履物の場合は違った―スニーカー、ブーツと草履、雪駄と何方が好きか?と問われれば、草履である―歩き心地は別として、スタイルとして草履である―

 從って、今後は此れまでより2,3糎長い長着を選び、また外出用に足袋、草履の類を揃えて行く必要があると云ふことに思い至ったのであった―

 快晴。暖かい。着物でぶらぶらと散歩でも、と思ふが、午後の一時にボイラー屋さんがやって来るので、外出は其の後だな―

 久しぶりに執筆から解放される―かつて紙の時代は、一作仕上げた後の虚脱感はナカナカに心地良かった―翌日は午前中から出掛けて、夜は何処かで酒を嗜み―そんな日ゝだった―復帰後、マイペースでの執筆だから、そう云ふストレスもなければ、虚脱感等もない―

 昨年から取掛った《女神たちの黄昏》、また昨日仕上げた《裸体の王国・薔薇のエクスタシス》の後も、感慨はあるものの、虚脱感には至らなかった―唯、長時間パソコンモニターと向き合っていただけに、眼からくる疲労は蓄積していたのだろう―就寝時間が早いのも、そのせいだな― 

 とは云え、執筆への意欲はまるで衰えていない―そうだ、暇だから次の作品を―

 午後一時、ボイラー屋さんが来る―終ったのが、弐時半―其れから、浴衣から御召に着替えて、買物へ―久しぶりに、と云ふか、地元では初めてのバス乗車―半年ぶりになるか―昨年の秋、未だ着物のきの字もなかった頃、山の麓までバスで行き、坂下り散歩を愉しんだが、ようやく其の時期が来た―今日は、其の手前で降りて、公園の近くを歩きながら自然食品の店へ向う―空気が旨い―未だいるマスクゾンビを横眼に、気持ちよく歩く―

 帰りはゆっくりと歩いて戻る―ようやく長着での歩き方に慣れてくる―歩幅を狭くするだけだが、生れてから今までの歩き方を是正するのは容易ではない―等と考えながら、ふと此の御召の身丈に就いて疑念が生じる―サイズは其れまでの紬より1糎5㍉ほど長い―もう一つの御召より5㍉ほど長い―今までは、御召のテロンとした生地のせいで、紬よりも着た時の丈が長くなるのだろう―と思っていた―が、もう一つの御召との差が、其れ以上にあるように見える―ひょっとして、此の御召のサイズが間違っているのではないか―買ったのは、京都の実店舗のあるショップである―まさか―

 帰宅して、早速測ってみる―現場で使うスチール製ではどうやら正確に測れないようなので、普通のメジャーで測り直してみた―すると、表記されてた丈より1糎5㍉から2糎近く長いのだ―で、此れが今まで実際に着た際の、ほぼベストに近い―頑張れば、あと1糎ほど長くても大丈夫かもしれない―

 となると、また利用しようとしていた其の店では今後、安易に買えなくなってしまった訳だ―

 そして、今まで頭にあった身丈の数字を、またまたリセットして―未だ、道のりは永いのであった―

 と此処まで書いて、また疑念が湧いてきた―以前、背丈と肩丈の違ひを知らずに、此方が勘違いしていたことがあって、また今回もそうなのかもしれない―と思い直し、もう一度測り直した―まず、米沢御召―表記通りだった―続いて、よろけ縞の御召―背丈がかなり短い―可笑しいな―そう思って、肩丈を測ると、先ほどより短い―つまり、表記通りだった―何故か―

 考えられるのは、其の生地がテロンとしているために、羽織ると生地全体が伸びるらしいのだ―そんな莫迦なと思ったが、そうなのだ―最初に測ったとき、床に敷いて測ったのだが、其のときは帰宅してすぐに脱いだ直後の状態を測ったために、生地が伸びていたらしい―其れが30分ほどで、元のサイズに戻った―と云ふのが真相らしい―

 と云ふことは―其の伸びた状態のサイズが、ベストに近いと云ふことなのだろう―

 そう云ふ、今日はまったく無駄な御噺で終了―

 豚しゃぶを頂こう―

 本日も散歩出来たことに感謝。

 惟神霊幸倍坐世

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