由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

日帰りお伊勢参り―一週間以上前からの懸案をクリアした―今回は、予定を念密に組まないと云ふ予定を立てた―どうにか終った―年二回の大イベント―クタクタなれど、気分は晴れやか―次は此の秋だ

    皇紀弐阡八百六拾参年五月壱拾弐日

 七時起床。ヨガ。

 昨日、日帰りお伊勢参り―一週間以上前からの懸案をクリアした―今回は、予定を念密に組まないと云ふ予定を立てた―其れが結果としては良かったのだろふ―

 昨日の午前4時過ぎ、地震で眼が醒める―5時に起き出し、情報を収集―JR、新幹線、遅延と表示―此処で早くも、出掛ける前に新幹線の予約をネットで入れて、紐づけしたICカードで乗換える―と云ふ目論見が崩れる―

 午前6時15分、家を出る―近くのバス停からJRの駅まで向ふ―バスが満員である―多くがリーマンらしい―到着、ホームへ向ふと、予定していた電車より早いのに乗れた―此処も学生等も含めて混んでいる―新横浜まで坐れないし、かなり車内の温度が高い―皆、ドア付近に固まっている―此の時点で、既に疲労感に見舞われる―

 之が普段の通勤通学の光景なのだろふ―二十歳で世間からドロップアウトして以来、こう云ふ生活とは無縁だった―或いは、こう云ふ生活から逸脱したい―と云ふ気持ちがあってのドロップアウトだった、と云えなくもない―

 新横浜のみどりの窓口を目指すが、何と未だ営業時間前らしく閉じられている―隣の自動券売機で名古屋までのチケットを購入―指定席、通路側―間もなく乗車―何故か窓、通路側が空いているのに、此方は二人連れのワケー、リーマンの隣の席―ナカナカにお喋りな二人―延ゝと喋っている―ウォークマンで音声を遮断して、ファイヤーHDを開ける―三島由紀夫《真夏の死》数ある短編の中でも出色の一作―何度眼か覚えていないが―

 当初、ファイヤーHDは重いので、文庫本と思っていたが、本棚にあった《小林秀雄》の文庫も其れなりに重い。何より、活字が小さいので辞めた―

 名古屋到着、シュミレーション通り、南口から降りて、近鉄へ向ふ―動画と画像で見た景色が眼に泛ぶ―数分で到着―改札内にある切符売場で特急券を購入―20分の余裕がある―其れでも到着時刻が10時10分―之はかなり早い―地震が齎した僥倖かもしれない―

 定刻に伊勢市駅に到着―敢えて、JR側の正面の出口を使わずに、すぐ眼の前、反対側に降りて、線路伝いに踏切へ―此処は普段、お伊勢参りに来たときによく泊るアネックスホテルからの道順で、歩き慣れたコース―

 間もなく月夜見宮に到着―参拝を終えた黒いスーツの初老のご夫婦と、鳥居の処でかち合った―お互いに軽く会釈をして、中へ―あれ?未だ柄杓が置かれていない―此の過剰なコロナ茶番への対策には、唯ゝ、溜息しか出ない―気を取り直して、参拝―感慨無量―御寄進をして、神路通りを外宮へと向ふ―結局、最初に月夜見宮を参拝したのは、実はこの道を歩きたいからでもあった―

 外宮―白い神馬とご対面―既にかなりの人がいる―となると内宮は相当だろふ―正宮の前で団体客がピースサインをして記念撮影をしている―其れを横眼に、参拝―正面に3重4重の列が出来ているが、其の脇を通って、左脇にて参拝する―多賀宮、下御井神社、土宮、風宮―出口へと向ふ―エネルギーが満ちてくる―

 内宮まではバスだが、ちょうど停車中のバスが道路の反対側からしっかりと見える―信号は赤になったばかりで、ナカナカ変らない―同じように其のバスを目指す女性たちは、歩道が青信号になると、駆け出していく―此方も早足で、乗込む―どうやら臨時バスらしく、停車駅は猿田彦神社神宮会館前だけである―11時15分には到着―予想よりも早い―

 かなり気温が上ってくる―水分補給しながら、五十鈴川を渡り、まずは滝祭神―風日祈宮―御正宮―此処でも行列―警備員は何時ものように、右でも左でも参拝出来ますよ、とアドヴァイスするのだが、ほとんど誰も動かず、正面の位置を選択している―其れを横眼に此方は、左側で参拝して、お先に失礼―

 荒祭宮―子安神社、大山祇神社―此の時点で、12時前だった―暑い、そろそろ脚にキテるな、と感じて、停まっていたバスに乗込む―猿田彦神社までは徒歩10分ほどだろふが、此の後の行程を考えて、バスで向ふ―人は少ない―佐瑠女神社に参拝後、炎天下を歩いて中村町方面へ―

 月讀宮に到着―人少し―此の向い側に以前、立ち寄った豆腐料理の店があるのだが、其処で麦酒を飲めばさぞ旨いだろふ―が、真っ直ぐに五十鈴川駅へ―飲んだら、其の後が―何せ、此れから4時間、乗り継いで行かなければならない―足腰はそろそろ限界に近いか―

 五十鈴川駅特急券を買って、20分ばかり外のベンチで一休み―気分良好、心地よい疲労感―

 特急の中で、握り飯と自宅で採れた蜜柑―車内は空いている―名古屋に到着、シュミレーションの通り、其処で新幹線の切符を購入―後になって、それが《ひかり》号であると気づく―ま、時間にして数分遅いだけだ―眠気が近鉄のときから度ゝ、襲ふ―横浜近くになるにつれ、俄に空模様が妖しくなる―在来線に乗換えたときには、雨―途中、稲光―此処まで降られたら、諦めもつく―4時20分到着―タクシー乗場へ―30人ほどが並んでいる―想定外―雨が上ってくれれば、もう一踏ん張りして歩いて帰るのだが、已まない―待つこと20分以上、ようやくタクシーに乗る―愛想のいいワケー運ちゃん―が、ジョークを云ふ元気もない―5時前に帰宅―

 今回、初めての日帰りお伊勢参り―当初の予定より早く帰宅出来たのは、出発時間を早めたせいもあるが、何よりも参拝の時間が2時間強で済んだためである、当初は4時間を見込んでいたのだが―何も早いから良い訳ではなく、ゆっくりと参拝しても良かった―唯、夕食時間の前に帰宅出来たのは有難かった―

 すぐにシャワーを浴びて、カレーなんぞを解凍しながら、ハートランドをグビグビ―

 終った―年二回の大イベント―クタクタなれど、気分は晴れやか―次は此の秋だ―

 昨夜匆々に就寝―何時も通り、寝る前のヨガもどき―胡座の姿勢になろうとしたら、右の太腿が攣って、どうにもならない―之は初めてだ―どうにか、ストレッチを終え、ベッドへ―あっと云ふ間に夢の中―何度か眼が覚めるが、すぐにまた夢の中―

 少しは回復するかと思ったが、頭も身体も重い―其れでも7時前に空腹になってくる―

 何も腹が減っていなければ、食べなければいいだけだ―が、食欲は体調のバロメーターである―

 太腿にキタのは矢張り和服に草履スタイルが原因だろふ―尤も、過去のお伊勢参り、スニーカーでも、脚にはキタ―予定では炭黒の綿麻の長着で出掛けるつもりだったが、ちょうど二日前に届いた夏紬があまりに着心地がよいので、そっちを選んだ―暑いのが気になったが、夏紬も涼しい―半襦袢、ステテコも矢張り定番であるのが実感された―次回も矢張り―

★《美人デザイナー・麗女狩り》リライト。今日は執筆はダメかと思ったが、そうでもない―曇でやや寒い―袷のアンサンブルが再び活躍する―

 庭の草毟り序に、豊作すぎるドクダミソウも収穫―暑くなってきた―夏紬で買物―こう云ふ季節になると、ナルホド半襦袢がインナーには適していることに気づく―以前は首元が気に入らなかったが、ジャケットにワイシャツが似合うように、着物には半衿がマッチする―一つの様式美のようなものだろうが、夏になれば、実用的でもある―

 楽してカレーの壺のチキンココナッツミルクで麦酒にしよふ―

 本日も執筆出来たことに感謝。

 惟神霊幸倍坐世

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