由紀かほる「憂国記」

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有松鳴海絞りは家康が尾張の特産品として推奨して以来、四百年、今も織られている名産品らしい―知らなかった―日本文化の奥深さをチラリと体感した気になる

 皇紀弐阡八百六拾参年七月弐拾四日

 六時四拾五分起床。ヨガ。

 酵素米朝食。

 なかなかに暑い。昨日、一昨日と冷房を点けて寝た―水曜日のダッチオーブンに向け、饂飩を打ったが、冷房を入れていても汗だくだった―

 暑ければ、着物も洗わねばならない―手始めに、今年の冬頃最初にゲットした、白地に模様の入った浴衣をネットに入れ、ドラム式洗濯機で洗ってみる―脱水時間は一分程度―意外にも、パリッとした仕上がりで、汚れも落ちた―

 翌日、今度は綿麻の墨色の浴衣・単衣遣いのものを、同じ要領で洗濯―此方、シボが入っているせいか、かなり縮んでしまい、手で入念に伸ばさねばならなかった―

 此処で、ネットで洗い方を改めて検索する―八年ほど前の、さる呉服屋さんのユーチューブ動画―此処では手洗いを推奨している。いくつかポイントがあり、譬えば擦らずに揉み洗いにする―干す際に、よく伸ばしておき、成るべく袖が真っ直ぐに伸びる、物干し竿のようなモノで干す―

 扨、先週、有松鳴海絞りの単衣・浴衣を入手―届いて、触った瞬間、其れまでの浴衣とはモノが違ふのが瞭然だった―手触りが柔らかく、気持ちが宜しい―よくあるパターンだが、ちょいと臭いが着いている―汗か、箪笥か、まあ、古い感じの臭い―数日、着ていたが、どうも気になるし、ちょいと痒みも出てきた―で、手洗いを敢行―しっかり伸ばして、和服用のハンガーに掛けて、陰干し―今回は脱水は三〇秒―着物には未だたっぷりと水分が残っている―一晩では乾かないので、さらに陽の入らない縁側の、風通しのよい処で半日ブラブラさせておく―完全に乾いたのを見て、試着―匂いも消えた―

 因みに、有松鳴海絞りは家康が尾張の特産品として推奨して以来、四百年、今も織られている名産品らしい―知らなかった―日本文化の奥深さをチラリと体感した気になる―其れに比べると、今更ながら、現代日本の服装の如何に貧相なことか―小汚いホームレスもどきが溢れているではないか―だから、人類は進歩する等と勘違ひしてはイケない―中身は寧ろ退化していくのを、ファッションが美事なまでに証明している―

 別名義の新作を昨日、脱稿―其の前の新作とは趣がガラリと変っている―当初のモチーフは二月程前から泛んでいた―やや重たい題材だが、其れを其のまま書いたのでは作品にはならない―どう云ふ手段にするか暫し悩む―やがて泛んだのが、六月下旬の義理の姪の結婚式に絡めてみよふ、と云ふアイデアだった―其れには、実際に式を体験してからでなくてはならない―そして、式が終った―が、主題の処理の仕方が纏らない―其のうちに、別のモチーフから一本書き上げた―

 壱拾日程前だったか、朝、ベッドの中でウトウトしながら、ふと構想が纏る―こう云ふケースは屡ゝある―

 実際に書き出してみたが、其れでも先は見えず、まさにペン先から生まれていくのを待つのみだった―どうにか結末までたどり着いた―結末に不満が残るが、何れ加筆修正することになるだろふ―

 因みに、其の執筆の途中で、何故かヘンリ・ミラーを再読したくなった―以前も書いた通り、短編と長編では趣がガラリと違ふ―短編の方が遥かに読み易く、其の手腕の冴えも味わえる―が、今回は長編に再挑戦となった―自らの成行き任せの新作が、ミラーの長編の手法に、何処か通じるものがあると感じたためである―唯の錯覚かもしれないが、少なくともミラーの読方の新たな緒を見つけたのは確かである―

 昼、昨日打った饂飩を試食。天麩羅も一緒に―麺つゆも良い感じ―

 ちょいと離れた処で、無農薬野菜の無人販売所があると聴いて、早速電動アシスト自転車で向ふ―すぐに見つかる―色ゝ並んでいるが、馬鈴薯二袋、青南蛮、ピーマン、シシトウ等を購入、しめて五百円也―途中、雨が僅かに貌に当る―此れから雨模様―ジメジメした陽気である―匆ゝに風呂入って、いっぺえやるか―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世 

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