由紀かほる「憂国記」

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今年は混迷が続く―と、元旦の巫さんからの言葉である―其れでも、此処で諦める訳にはいかない―

 皇紀弐阡八百六拾参年壱月参日

 六時起床。ヨガ。

 雑煮朝食。

 元旦に続いて、昨日は羽田で事故、海保の方が五人死亡―どう云ふことか―本年は災厄が未だあると云ふことか―

《ペイルブルーに染まって・Ⅱ》リライトを続ける―未だ、最初の濡場、おんな弁護士麻里子と恩地の絡みである―当初は考えていなかったのだが、いざ加筆を始めると、次第にイメージが廣がってきた―此れは或る意味では理想的な創作の在り方である―読者からのコメントも背中を推してくれているのかもしれない―

 ヘンリー・ミラー全集・第12巻《性の世界》―タイトルはミラーの場合、あまり意味をなさないのだが、此の巻も例外ではない―最初に自らの置かれた作家としての評価、評判に対するミラーなりの返答、反論が彼是と書かれてある―また例の如く、次第に脱線して、後半は書き出しとはまるで違った印象を残す文章となっている―

 二本眼が《ロレンス論》―ミラーの他の作品にも、ロレンスの名前は度ゝ、登場するし、影響を受けたことも周知の事実である―とは云え、ロレンスへの称賛に終始せずに、いや寧ろ、かなり突き放した批判を含む文章となっている―

 ロレンスは実はかなりの作品を読んでいる―そう若い頃ではないが、何時の頃か定かではない―何かの切欠があったと思ふのだが、其れも思い出せない―恐らく、どの作品も残念ながら、感心しなかったせいではないか―今、再読したら印象は違っているかもしれないが、恐らく再読はないだろふ―其の気持ちは、此のミラーの文章を読んで、さらにハッキリとした―

 元ゝ、好きではない作家の評論であるから、読むのもナカナカに苦痛である―実はミラーもそうだったのではないか?と云ふのも、後半はプルーストジョイスのネタばかりで、此方の方が遥かに興味深いのだ―

 続いて、一昨日から《ランボー論》を読み出した―ミラーの愛読する作家と云えば、ドストエフスキーホイットマンを双璧として、ニーチェランボーと続く―従って、此の文章も興が乗っている、先の《ロレンス論》とは大違ひである―

 優れた評論とは、其の取上げられた作家の作品を、思わず読みたくなる、そう云ふ文章のことを云ふのである―個人的に、ミラーとは関係なく、ドストエフスキーランボーニーチェ等は、若い頃から何度となく読み返した面ゝである―きっと再読するだろふ―そして、残り時間を鑑みて、其れが最後かもしれない等と―

 今年は混迷が続く―と、元旦の巫さんからの言葉である―其れでも、此処で諦める訳にはいかない―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

  

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