由紀かほる「憂国記」

日記もどき 最新作の情報等ゝ

小説とは作者と読者による共同作業によって成立する―其の心は、作者が提供するのは実際は三〇%ほどであって、残りの七〇%は読者夫ゝの想像力によるものである

 皇紀弐阡八百六拾参年壱月壱日

 五時四拾五分起床。ヨガ。

 雑煮朝食。

 コメント欄への返信を兼ねて―

 まず小見出しの件―此れはほぼ総て編集者側が着けたもので、此方は一切関わっていません―其のため、不本意なものも少なくなく、随分と苦心したな、と云ふものや、いくら何でもそれは無理があるだろふ、と云ふものも過去に幾つかありました―アマゾン・キンドル版で、削除したのは其のためです―此の件に関しては、次の作品辺りから、オリジナル・ヴァージョンでは出来る限り復活させよふかと―また、リライト・ヴァージョンでも、新たに着けてみるのも一興かと思っています―

 以前も書いた通り、小説とは作者と読者による共同作業によって成立する―と云ふ考えがあって、其の心は、作者が提供するのは実際は三〇%ほどであって、残りの七〇%は読者夫ゝの想像力によるものである―作品によって、読者の好き嫌いが分れるのもそのためであり、読者の嗜好までは作家は関与出来ない―従って、書いた作品が出版された後は、作品は作者の手を離れる宿命にある―と云ふものです―此れは一つの卓見でせう―

 コメントで色ゝとアイデア等を頂き、其れに沿ってリライトを行ふ、と云ふことはほとんどありません―勿論、ヒントになる場合はありますが―

 此れも以前から書いてきた通り、作品とはペン先から生まれる―と云ふ石川淳の名言が恒に念頭にあります―予め結末まで明確にして、其処に向って書いていくと、まず間違いなく出来は宜しくないのです―所謂、予定調和に終止したものでは、新たな発見もなく、作品自体が死んでしまいます―ある程度のストーリー、濡場のアイデアは頭に置いておくとしても、実際に書き進めるうちに、少しずつ変化するのが、生きた作品の証左でしょう―

 但し、付け加えておくと、コメントが執筆の上で、大きな励みになるのも事実です―昨年配信した《女神たちの黄昏》(オリジナル《美囚クロニクル【聖奴(ミューズ)の十戒】》)等も、熱心な読者の方からのコメントが、背中を推してくれました―そのお陰で、リライト・ヴァージョンを脱稿出来た、と云っても過言ではありません―

 此の《ペイルブルー》に関しては、初出がサンケイ・スポーツ連載であったため、既に書いた通り、かなりの制約がありました―最新作の《チビ刑事》、其の前の《制服コレクション》は文庫の書下しで、此れもオトコの主人公が複数の女性と絡むスタイルを、最初に出版社側から要請されて書いたものです―加えて、アブノーマルな濡場はNG、と云ふ制約もありました―そうした制約も、総てが凶と云ふ訳ではなく、結果的に吉と出る場合もない訳ではありません―

 今回のリライト・ヴァージョンはそうした制約がないので、オリジナルでは書けなかった領域まで、はみ出してみようかと思っています―コメントはお気軽にお寄せ下さいまし―今後の励みに致します―

 本日、ようやく晴れて、気温もプラス―散歩がてらに、無農薬のお店まで脚を伸ばす―玄米やら手作りケーキ等を買って戻る―お年始替りに、何時も探している長葱を頂く―

《ペイルブルーに染まって・Ⅱ》リライトを続ける―最初の恩地vs麻里子の濡場が、さらに長丁場となる―此れもリライトならではの、或る種のハプニングかもしれない―

 本日も執筆出来たことに感謝

 惟神霊幸倍坐世

 

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